里黒小説・「With You」・第四話w

「With You」第四話・「お粥の味」
―そして、俺はベッドの中に入った。横には、ずっと里見が付いていてくれた。俺は、たまに里見の方にちらりと目をやる。すると、優しい微笑みが返って来る。すると、里見は何を思ったのか、ちらりと時計に目をやった。
「あ、もうすぐ12時だな―。何か作ろうか、黒川―?」
「里見、料理作れるのか?」
「当たり前だろ。けっこう得意なんだぞ!えっと、風邪のときは、やっぱお粥かな―?」
「ふふっw」
「どうしたんだよ?」
「何か、こういうのっていいよなー。まるで新婚みたいでw」
「ばーか、何言ってんだよwお粥でいいか?」
「うん。」
里見の顔がほのかに赤くなったのを、俺は見逃さなかった。
―いいなぁ、里見と二人暮しか・・・。
俺はふとそんな想像をした。
そして、台所にいる里見を見た。エプロンを付けている。
―里見って、エプロン、似合うよなぁ・・・w
俺は里見のことをますます好きになっていく自分に気付いた。
―出来るなら、このまま里見と結婚したいよ―。
そんなバカなことも考えた。
―けど、そんなこと言えない―。
そんなことを考えているうちに、里見特製のお粥が出来上がった。そのお粥には、里見の愛情がこもっているのだと思うと、俺は急に嬉しくなった。
「わぁ、うまそうwまさか、君がこんなの作るなんてなw」
そう言い、里見に笑顔を投げかけた。
「俺が料理作りそうに見えないってコト?」
「あぁ。」
「冗談きついなぁ~。」
「じゃ、食べるよ。」
俺は、蓮華を持って、お粥をすくった。
ぱくっ。
「あっちぃ~っ;」
俺は、思わず叫んだ。
「もぉ・・・、ドジだな、黒川は・・・wそういうトコがまた可愛いんだよ・・・w」
「何言ってんだよ・・・w」
俺は照れた。可愛いだなんて・・・。こんな顔を見せるのは、里見にだけだよ。
すると、里見はお粥をすくって、ふーふーした。
「はい、あーんw」
「なっ・・・なんだよぅっ。それじゃぁまるで子供みたいだろっ。」
俺は赤くなった。
「子供・・・みたいじゃないか。黒川はさw」
里見はけらけら笑った。
「もぅっ・・・。今日だけだぞっ・・・、あーんw」
俺は素直に口を開けた。
里見は、俺の口に優しくお粥を運んだ。そのお粥は、今までに食べたどんなお粥よりも美味しかった。
「んっ・・・!うまい!すごいよ里見っw」
「本当か!?良かったw黒川のことを思いながら作ったんだよ・・・。」
「さとみぃ・・・w」
俺は、今日はとことん里見に甘えようと思った。
☆つづく☆


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